ごあいさつ
このたび、信州メディカルネット協議会長をお引き受けすることになりました。2011年より8年間の長きにわたり会長の要職にあられました清澤研道先生にはここに深く感謝申し上げます。
さて、信州メディカルネットはやがて10年目を迎えます。最初の年は診療情報提供病院わずか3病院でしたが、現在は20以上の病院が診療情報提供病院として参加しています。また診療情報参照医療機関も120余施設と大きく増加してまいりました。
一方で課題も出てきております。一つは利用していただいている医療機関や医師の方々が一部に限られているということです。言い換えますと、新しくご利用になる医師の方々は余り多くなっていないように思われます。信州メディカルネットの患者登録方法も含め利用手順の見直しも今後検討し、より多くの施設の先生方にご利用いただいていただけるように働きかけていく必要があるようです。もう一つの課題は利用できる医療者の職種についてです。これまで、信州メディカルネットでは利用できる医療者は医師・歯科医師に限定しておりました。しかし、他のICTを用いた多くの地域医療ネットワークでは医師だけではなく、看護師、薬剤師など他職種の方々にも参照権限を付与しているところが多くなっています。チーム医療が主流である昨今の現状からすると信州メディカルネットでのあり方は遅れている状況でした。しかし、2019年度の通常総会で看護師、薬剤師等他職種への参照権限付与が認められ、この課題については一歩前進しました。今後もまだまだ山積する課題はありますが、一つずつ前向きに検討を進めていきたいと思います。
ICTを用いた患者さんの情報共有は今後もますますその重要性は増していくはずです。信州メディカルネットは他の地域医療ネットワークに比べると各医療機関にとっては安価で利用しやすくなっております。より多くの医療機関の医療者の方々にご利用いただき、患者さんについて正確な情報共有が適切に行われるようにお手伝いができればと考えております。そして、それは間違いなく患者さんの診療に大きく役立っていくはずです。どうかこれからも信州メディカルネットを皆さんのご理解とご協力とで盛り上げていっていただければと思います。
2019年7月
信州メディカルネット協議会
会長 天野 直二